5月 17th, 2012 No Comments »
持続的成長を達成しているハイパフォーマーの要件の別のものとして、アクセンチュアが行なった、6,000社以上を対象に実施したハイパフォーマンスに関する共通性を導き出した調査結果があります。以下がそのポイントです。
□ マーケット・フォーカスおよびポジショニング
マーケットにおける俊敏性と複数の戦略的視野を持つこと、適正な規模であること、組織とビジネスモデルの枠組みをマーケットの状況と整合させることなどが、重要である
□ 差別化可能なケイパビリティ
価値を創出するために独自の「ビジネス手法」を構築している。「ビジネス手法」とは、顧客ニーズに関する構想をビジネス・プロセスとリソースを一体化した形にうまく転化させ、当該ニーズに合わせてコスト効率よく実現させる手法を指す
□ 高いパフォーマンスを生む企業文化
言葉と行動によって、勝利の思考を社内に浸透させ、この勝利の思考が特定のビジネス手法を生み、そしてこの手法がさらにビジネスの成果につながる好循環を生み出す
要するに、戦略コンサルタントが嘯く外向きの戦略、つまり、企業の社会におけるポジショニングだけでは、寿命を延ばすことはできず、また業務・IT 系のコンサルタントが嘯く内向きの戦略だけでも駄目、また人事・教育やチェンジマネジメント系のコンサルタントが嘯くマネジメントシステムの部分的改良だ けでも駄目ということです。外向きの戦略、財務戦略、内向きの戦略、マネジメントシステム等が統合された新たなビジネスモデルを作り、それを機械ではな く、事業環境の変化に対応する有機体の仕組みとして導入することが必要です。その設計と生命の注入がビジネスモデルトランスフォーメーション(BMT)の 真髄です。
5月 17th, 2012 No Comments »
ビジョナリー・カンパニーやアクセンチュアが行なった、持続的成長を達成しているハイパフォーマーの要件の調査は、過去を振り返ったものです。足元では、社会のパラダイムシフトが起こっており、果たして新時代のハイパフォーマーの要件は?という質問が浮かびます。
まずは、足元で起こっている、日本社会のパラダイムシフトを整理してみましょう。
このまとめを見ると、これまでは、共通の未充足ニーズへのポジショニングと技術の蓄積が企業経営のポイントでしたが、これからは、ビジネスモデルのゼロベースの設計とその実行スピード、更なる事業環境変化への自発的対応力の仕組みの導入が重要であることが伺われます。
→12.新時代のハイパフォーマーの要件
5月 17th, 2012 No Comments »
社会のパラダイムシフトを整理して、演繹的に新時代のハイパフォーマーの要件を導出した結果、これまでの要件に追加するポイント、重要性を増すポイントの示唆を与えてくれました。一方で、結局は、企業経営とは、分業社会における、社会の幸せの創造を目的としたチーム編成とそのマネジメントであり、人が人である限り、企業経営の本質は変化しないと考えています。
5月 17th, 2012 No Comments »
経営コンサルタントは、Super generalistであると考えています。社会、経営、技術における個別領域に関しては、政策担当者、学者、企業経営者などの専門家が居り、知識では専門家の方が優れています。しかし、今、社会が求めているのは、新たなパラダイムに対応した国、企業のあり方であり、人の幸せを基点にしたゼロベースの仕組み設計です。そのためには、目的を明確にし、世界の英知を結集して、統合的な設計する能力が求められます。それは、元来、経営コンサルタントが強みとして持っているスキルであり、政策、企業変革、新たな研究へ、我々経営コンサルタントが果たす役割は大きいと考えています。
具体的なアクションとして、まずは日本企業に対する、共同実施型の「潜在成長力診断」プロジェクトを企画しています。これまで企業経営を客観的に捉えて来なかった日本の各企業の現状の経営モデルを可視化し、新時代のハイパフォーマーの要件と対比して、変化の方向性を示唆します。また同属性他社と自社を比較することにより、変化のスピードに関する示唆が得られることを期待しています。
政策に関しては、クラウドファンディングの推進、知人政治家との交流、既成の政策提言団体との連携などを進め、更には、社会の変化を先導した新たなビジネスモデルのインキュベーションも継続して行きたいと考えています。事業インキュベーションは、クラウドファンディングを活用できれば、シナジーが働きます。
いずれにしても個人や、小企業でできることは限られていますので、新たな社会の仕組みの構築に向けて賛同していだける方、企業様がいらっしゃれば、協力しながら進めたいと思います。そのため、自らを新たな“場”として進化させ、コミュニティ運営をして行きたいとと考えている今日この頃です。
5月 1st, 2012 No Comments »
幸せを科学する
1.幸せの類型化
社会も、経済も、企業も、人の幸せの総和を大きくすることを目的とした手段です。
にも関らず、幸せとは直接的には関係のない、経済成長率や、利益が幸せを作るというまやかしが社会の常識として肯定され、人の幸せの研究は進んでいません。そこで、人の幸せを科学してみたいと思います。
幸せは、状態から得られるものと、その状態において日々の行動において得られるものとに大別できます。
日々の行動において得られる幸せとは、おいしいものを食べた、ふかふかの布団で寝た、好きな人と話ができた等の幸せで、自分の行動の対価として得られるものです。この対価は、お金持ちであろうが、そうでなかろうが、また日本人であろうが、外国人であろうが大差はなく、仕組みによっても左右されないものです。
一方、状態から得られる幸せは、社会の仕組みと関係が深いものです。マズローによれば、人間はある欲求が満たされると次の次元の欲求を満たそうとします。つまりより高次元の欲求を満たしているものの方が、相対的に幸せであると言えます。
マズローの欲求5段階説では、生理的欲求(Physiological need)、安全の欲求(Safety need)が満たされていることを条件に、コミュニティに帰属している、他者に受け入れられているという情緒的な幸せへの欲求(Social need/love and belonging)に進みます。
その次の欲求は、コミュニティから自分が価値ある存在であると認められ、尊重される欲求(Esteem)、自分の持つ能力や可能性を最大限発揮し自分がなりたい自分になる自己実現の欲求(Self actualization)となります。
最初の3つの段階Physiological need、Safety need、Social need/love and belongingは、人間としての基本的欲求であり、その欲求が満たされることによる“状態の幸せ“は、人類全てが与えられるべきものと思います。