【幸せを目的とした政策】05.日本のあるべき方向性(仮説)
日本は、既に破綻している状態です。今の政府が言うように、現状の法律、制度を維持するために税金を増やして支出を続けるのか、それとも時代の変化に呼応した社会の仕組みを再構築するのか、岐路に立たされています。
新たな社会の仕組みを再構築するキーワードは、自立した個と多様なライフスタイルを支える社会インフラの整備だと思います。この仕組みの構築のためには、国というコミュニティの役割の再定義、コミュニティの運営体制の設計、新たな仕組み運営のための人財の入れ替えを行なう必要があります。
以下は、自立した個と多様なライフスタイルのイメージ図です。
Aタイプ | Bタイプ | |
家族構成 | 主人 35歳妻 30歳子供 6歳 | 同左 |
所得 | 月10万円 | 月200万円 |
就業時間 | 2~3時間/日 | 12時間/日。土日も1日は出勤 |
主人 | - 家族と過ごす時間を大切に- 日々生きることの中での新たな発見、喜び- 都会では味わえない、食事の本当の美味しさ | - 日々の仕事でクタクタ- 1年に1度か2度自然のあるところに家族と旅行するのが楽しみ |
妻 | - 洒落たカフェでお茶。高価なバックと化粧品を買って満足 | |
子供 | - 週4日はネットで授業- 週1回はお迎えバスで学校へ | - 近くの小学校へ通学 |
医療 | - ネット経由でかかりつけ医と相談- 大抵の薬はネットで処方後通販で購入- 急病の場合はドクターヘリで | - 近くの病院で診察 |
食事 | - 主食は近所のお友達のお米(野菜と物々交換)- 手に入り辛いものは通販で | - スーパーで買い物- たまには外食 |
エネルギー | - 太陽光発電が主体 | - 東京電力から |
前述の通り、世界の統計では、国民一人当たりの所得が1万ドルを超えると、生活満足度と所得の相関が薄れてきます。つまり1万ドルあれば、お金を稼ぐよりももっと大切なことがあるということです。
日本の国民一人当たりのGDPは、購買力平価換算で3万6千ドルと推定されます。でもどうして日本は破綻に追い込まれ、幸福感がないのでしょうか?また多くの絶望的な人がいるのでしょうか?
それは、画一的ライフスタイルを基準とした競争、保護政策が取られているからです。画一的ライフタイルの元での競争の敗者は、都会という高コストの生活を強いられる環境で日々の生活に苦しんでいます。何故、田舎や海外に行き、自給自足の割合を高め、自分に合った生活を選ばないのでしょうか?それはそのような生活が想像できないし、そのためのインフラや仕組みが用意されていないからです。
幸せは、四六時中働いてお金を稼ぐことのみから得られるのではなく、人それぞれ、また同じ人でもその時の状況により異なります。各個人は、幸せのindifferentカーブのどこか1点に留まる必要はなく、自由に動くことが可能です。それを可能ならしめる社会の仕組みが求められます。
この仕組みは、今の政府、官僚が盲目的にお手本とする欧米よりも先進的な仕組みとなり、世界に広がって行く可能性があると思います。それが成熟した日本、コミュニティ先進国日本の、世界における存在意義ではないでしょうか?