【幸せを目的にした政策】03.個別政策の問題点 (2)介護

介護の支出は5.5兆円、国民1人当り43千円、1世帯当り106千円です。

介護保険事業の運営と、介護インフラ拡充のための補助金、融資が、主な内訳です。

政策の説明として、「地域の介護ニーズに対応するため、地域密着型サービスの整備に係る既存交付金(市町村交付金)の拡充、施設整備に係る都道府県による補助金に対する地方財政措置の拡充等を通じて、特養・老健・グループホーム・小規模多機能事業所など介護拠点等を緊急に整備する。」と謳っています。

 医療保険と同じ議論ですが、介護保険をどうして民間に任せないのでしょうか?民間に任せれば、国民のニーズにより適合したフェアな保険が開発されるのではないでしょうか?

また社会インフラとして必要な財・サービスの促進のための投融資も、民間に任せるオプションがあります。

 しかし、民間の銀行やファンドは、拝金主義の番人です。難しい側面もあります。現状の経済ルールである会計上の利益は、幸せの増加の寄与と等しくありません。投融資の選定に、新たなルールを設けたり、そのような拝金主義者の暴走を食い止めたりする規制が必要な気がします。

 利益よりもより本来的な指標として、CSR(Community Social Responsibility)指標があります。

「受幸者人数 x 幸せの大きさ」を「幸せを作る工数 x 苦労の大きさ」で除したもので、CSR指標>1であれば、コミュニティの社会における存在意義があることになります。ただし数値指標として用いるためには、今後の研究が必要です。

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