【幸せを科学する】3.高次元の欲求を満たす社会の仕組み

幸せを科学する

3.高次元の欲求を満たす社会の仕組み

ではPhysiological need、Safety need、Social need/love and belonging という3つの段階が満たされた状態における、人の幸せとは何でしょうか? マズローによれば、Esteem、Self actualizationの欲求を満たすこととなります。この状態は、何かのコミュニティに帰属して生きている訳ですが、そのコミュニティを受動的コミュニティと、能動的コミュニティに分けて考えます。

受動的コミュニティとは、自分の意志とは無関係に所属するコミュニティであり、国、地方自治体、義務教育施設などです。能動的コミュニティとは、自分の意志で所属するコミュニティであり、会社、趣味のクラブなどです。EsteemがSelf actualizationの前段階の欲求であるとすると、この能動的コミュニティの選択が、高次元の幸せを説明する重要な鍵となります。

能動的コミュニティは強制ではありませんので、自らが何らかの目的を持って所属することになります。その動機はそのコミュニティにおいて、Esteem、Self actualizationの欲求を満たすことです。ここで問いたいのは、能動的コミュニティの一つである会社とは何かです。頭に浮かぶのは、以下のようなことでしょうか?

  • 会社という建物に入り、整然とした机に座る
  • 9:00から18:00まで拘束される
  • 上司、部下の関係
  • 社会人としての(=会社勤めの)マナー
  • 終身雇用
  • 搾取する側と搾取される側
  • 搾取される側を守る法律、労組

会社はできれば勤めたくないけど、生きていくためにお金を稼がないと駄目なので、仕方なく働くものという人が多いのではないでしょうか?このような考えからは、EsteemやましてSelf actualizationの幸せは得ることができないのは自明です。そこで、人々が求めるのは、ワークライフバランスで私生活を充実させる、SNSなどのバーチャル世界における(社会の生産性や幸せに寄与しない)個人中心の新たな状態作り、現状のつまらない状態を是としたゲームやアイドル追っかけなどの刹那的な刺激への耽溺となるのではないでしょうか?

本来、会社とは社会の幸せを作る場であり、会社こそがEsteemやSelf actualizationの幸せを得る能動的コミュニティであるべきです。時代遅れの、国、為替、企業、利益などの仕組みは、早急に見直し、“幸せ”を目的に、新たな仕組みを再構築する時期が訪れているのではないでしょうか?

個人でできることは決して少なくありません。チュニジア、エジプト、リビアの国を変えたアラブの春は記憶に新しいところです。また既存の仕組みの中でも、その運用の仕方により、社会、企業のあるべき方向へ牽引することも可能です。私個人としては、命ある限り、経営コンサルタントとして、日本のリーディングカンパニーを啓蒙し、社会や企業の仕組みを変革できるリーダーを養成して行きたいと考えています。

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